キーパーソンインタビュー一覧

株式会社ニトリ
物流部 執行役員 武井 直

http://www.nitori.co.jp/

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1987年日本アイ・ビー・エム入社。2003年日本オラクル入社。流通サービス業の営業、事業企画、研修事業等を担当。2006年ニトリに入社。1年7ヶ月の店舗勤務を経て、現在は物流部を担当。

 

外資ではなく、日本の会社で、世界で勝負できる流通企業をつくりたいという強い思いがあります

ニトリは、真に現場を重視する会社だとわかり、それも入社する決め手になりました

Q:武井さんは、日本オラクルで若くして執行役員となり、大きなプロジェクトも任されご活躍されていましたが、約2年半前にニトリへ転職されました。なぜ、将来を嘱望されていた会社を辞め、まったく畑違いのニトリに転職を決められたのでしょうか?

武井氏(以下T):前職で流通営業を中心にさまざまなことを経験する中で、海外のビジネスモデルを上手に取り入れ、そこに日本人特有のきめ細かさを取り込むことによって、更にいいものに変えることができたら、世界に通用するビジネスモデルがつくれるんじゃないかと思ったのがきっかけです。
ですから、外資系ではなく、日本の会社で世界で勝負できる会社をつくりたいという思いと、自分が本当にやりたい、社会に役に立てることは何だろうか?と考えたときに、流通業界で世界で勝負できるような企業に入り、貢献していきたいと思ったんです。日本産業の6割が流通サービス業ですから、その業界で勝負できないような状態になることは、日本の将来がないということではないかと考えました。
それから、これまでの流通業界の流れも変えたいと思いました。メーカーがつくったものを仕入れて、売って、儲けるというやり方が古くからの流通業のビジネスモデルですが、その流れを逆転させ、消費者から製造にあがっていくという流れをつくりたいと思いました。
消費者が求めているものを企画してつくり、その仕様に基づいて製造し、それを消費者に提案し、買っていただく。それができない企業は、これからの流通業界では生き残れないし、世界で勝負していくためにはそれが最低条件ではないかと思いました。
これらのことができる会社を探し、その可能性があり、チャレンジしているニトリに出会い、入社することを決めました。

Q:入社されて、すぐに店舗スタッフとして、現場からのスタートだったんですね。

T:昔から現場を重視することがポリシーで、どのような肩書で入社しようと、まず現場を経験できることが希望だったので、願ったり叶ったりでした。現場第一主義と言いながら、実際は、現場を経験しないまま本部スタッフとして配属される会社が多い中で、ニトリは、真に現場を重視する会社だとわかり、それも入社する決め手になりました。

Q:一般的に流通業界というと、土日休みではないし、給与もあまり高くはないというイメージもあるかと思いますが、そういうところは気にならなかったのでしょうか?

T:そこにはこだわりはなかったです。楽しければいいかなと。(笑)

ニトリは全て自社でやることがポリシーなので、作り上げるまでは大変ですが、独自のモデルを作れるので、できることも拡がります

Q氏:入社されてからは、まず店舗をご経験され、現在は物流の責任者としてご活躍されていらっしゃいますが、物流への異動はご自身で希望されたのですか?

武井:はじめは商品部に希望を出していました。約1年半店舗を経験しましたが、その時に欠品が多く、お客様が買いたいのに商品がないということが起きていましたので、欠品をなくすためにできる仕事をやりたいと思ったんです。そしたら社長から、物流を勉強してから商品部にいくように言われて。
物流部では、最初は家具の配達をしたり、荷物の梱包をやったりしました。今は責任者として約270名をマネジメントしていますが、流通小売業を知る上で、とても勉強になるセクションで、大変おもしろいです。
物流というセクションは大変重要ですが、アウトソースしている会社がほとんどだと思います。でも、ニトリは全て自社でやることがポリシーなので、作り上げるまでは大変ですが、独自のモデルを作れるので、できることも拡がります。店舗と物流の壁がないので、例えば、店舗の効率を高めるために物流の企画を提案したり、仕組みを変えることによってコストを劇的に下げることができたり、それは一例ですが、そのような改善や改革ができることも楽しいですね。

Q:店舗と物流を経験され、次はどのようなことをやりたいと考えていらっしゃいますか?

T:やはり、全てを自前でやるニトリの社員としては、商品関連業務もいつかやらせてもらいたいと思っています。何をやるにしても全体を理解して、はじめて本当の改革ができると思うので、最終的には全部やらせてもらいたいとお願いしています。ニトリは、今の部署で肩書きがあっても部署異動をしたら、最初は担当者からはじめますが、そこに対しても抵抗はありません。自分がやりたいことが明確で、それができる可能性がニトリにあると考え入社したので、自分を信じて、まっすぐに突き進めば、結果的に会社に貢献できるのではと思っています。
そして、海外進出へのサプライチェーンの仕組みづくりも、今までの経験から、貢献できるのではないかと思っています。欠品をせず、在庫も過剰にならずに、上手にコントロールしていくような仕組みをつくるところでは役に立てるのではないかなと思っています。

未成熟なことを不満と思わずに、そこを変えていくことを楽しいと思える人に入社して欲しいです

Q:武井さんは、今後のニトリにはどのような人が合っていると思いますか?

T:常に変革をしようとする人が合っていると思います。
ニトリはまだまだ未成熟なところもありますから、未成熟なことを不満と思わずに、そこを変えていくことが楽しいと思えて、色々な軋轢も乗り越えて、自分がやるべきだという当事者意識を持てる人がいいですね。
大企業だからとか、業績がいい安定した会社だからという安定志向で入社すると難しいと思います。

Q:武井さん自身は、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?

T:これは社員にもよく話をするのですが、まずは、自分がもらっているお給料以上の貢献ができているかどうかを考えられることが基本だと思います。自分が成長することばかりを考えて、会社からお給料をもらっているという意識が低い人もけっこういますよね。成長している中で会社に貢献できていればいいのですが、お給料をもらっている限りは、それ以上の働きをしないといけないのではないかなと。それができないのに次の話をしても、会社がその人を雇う意味は何かということになりますよね?
そういう意識や、いずれ貢献するという意思を持っていれば、すぐに貢献できなくてもいいと思うんです。会社はそこに投資をすればいい。
そして、お客様に対して誠心誠意ちゃんと向き合う姿勢を持っていること。そこがとても大事だと思いますし、そういう意識を持っている人と一緒に働きたいと思います。

Q:ニトリは社員教育にとても熱心でいらっしゃいますが、武井さんが社員の方と接するときに心掛けていることはありますか?

T:極力話を聞く、ということを心掛けています。私は前の会社でも庶民派執行役員と言われていたので(笑)、話し掛けやすい、話しやすいというのはあると思います。相談事や本音の話もそうですが、悪い話が入ってこなくなったら会社はおしまいだと思いますので、良い話だけではなく、悪い話もちゃんと話してもらえるような関係を築くようにしています。

Q:今のニトリには、30代~40代くらいの優秀な社員の方がたくさんいらっしゃると思いますが、そういう方々が今後、経営にもどんどん参加していくべきだと思っていらっしゃいますか?

T:そうですね。私もそうでしたが、若い頃から経営に参加するのはとても勉強になると思います。
私は、自分に実力を付けていくことが一番の保険だと思うんです。それぞれが自分に実力を付けて、会社はそういう人達が辞めない風土や、そういう人達がやりがいをもって働けるような環境をつくっていく。それができた会社が、本当に強い会社だと思います。だからまず自分に実力を付けて、どこの会社でも通用するんだけどここで働きたい、と思えるような会社をつくりたいです。

社会に対して何が貢献できるのかということを常に考え、行動しないと、会社としても、人としても、成長はないと思います

Q:最後に、武井さんにとって、仕事とは?

T:三つあります。まず一つは、当たり前のことですが、生活の糧を稼ぐということ。
二つ目は、会社に貢献しているという前提のもとで、仕事を通して自分も成長していくこと。
三つ目は、社会に貢献するということ。仕事を通して、自分の周りや会社だけではなく、社会に対してどう役に立ちたいか。お金を稼げばいいというのではなく、みんながより良く快適に暮らすためにはどうすればいいのか、社会に対して何が貢献できるのかということを常に考えるべきだと思います。そこを意識しながら行動しないと、会社としても、人としても、成長はないんじゃないかと思うんです。
この三つのバランスを上手にとってやっていくことが、仕事ではないかなと思います。

日時:2009年2月24日(火)
形式:株式会社ニトリ 武井氏・スピリッツ 河野 対談

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